
日暮れより鐘の響きひとつ
袖で拭い切れぬ後悔に魘され
ふらふらと憐れ侵され行く
無常の果てに何を求め彷徨う
ほろりほろり 散り往く椿
伽藍堂の月夜を映して
今宵ひとり 未練の闇へ
背水の想い賭して
刹那の焔 其れは華の如く
血の雨を降らせた名も無き人
鳴呼 何時の世も綺麗事さへ
矛盾に呑み込まれゆく
屍越えて 其れは生きる事と
疑心暗鬼の儚い絆は
鳴呼 悲しみも 涙も 嘘も
疾うに空の絵空事
偽りに未だ気付かぬ素振り
笑みは軈て錆びて 言ノ葉枯れ果て
累々と狂気揮う夜に
重ねた恨み 愁いに沈る頃
転々 輪廻する音
宵も宵も 切なる願いは
はらり 千切れ 奈落の底へ
一寸先は闇の恋路
灰のやうに 夕凪のように
音も立てず息の根絶つ頃は
夢現でも傍で貴方が
亡骸を抱きながら
そして一粒 大きな雫を
冷たい頬に落とし顔を歪め
鳴呼 この人に愛されていたと
一瞬感じさせて
するり撫でた 髪を擽る
遠い遠い貴方の指先
どろり 刃 宿命に濡れて
梅の匂ひ狂い咲く
涙を拭いて 愛をくれたひと
寒煙迷離の幼き心中
鳴呼 彼の腕で朽ち果てたなら
細雪、はらはらと
魑魅魍魎蔓延る浮世の終焉に
我武者羅に咲かせた命なれど
屠りし乙女の心疼きて
浅き夢の香に酔へり
現世越えて巡りし先に
何時ぞの夢叶うやうに